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訪問診療【その11】 

【訪問診療】(その11) 
今回ご紹介させていただく患者さまは, 訪問看護師からご依頼いただいた70歳代・要介護度5の女性です。脊髄小脳変性症および認知症等に罹患しており, 初診時の口内は強い口臭が伴う歯周病とむし歯が存在し舌の上にも舌苔が付着していました。居宅で約1年7か月診療させていただき, その後施設に移られ現在も受診されています。継続的に処置を受けられ5年めに入りましたが「以前は肺炎を何度もおこし入退院を繰り返したが, 口の中を診てもらってからは肺炎がまったくなくなった」というお言葉を患者さまのご主人さまから拝聴し,とても喜ばしい瞬間でもありました。施設内においても先ず高等看護師による血圧測定を行い, 口内に堆積している食物残渣や口蓋に付着した汚れなどを取り除きます(写真1と2)歯垢や頑固な歯石等も除去し消毒を施してからベッドサイドに備えられている吸引器で口内全体をきれいにしてから赤く腫れている歯肉病変部に対し抗生物質を塗布します(写真3)療養生活が長引くとストレスなどで全身の抵抗力が落ちて, むし歯や口内炎、歯周病などが進行する可能性もあります。また口の中の細菌が肺に入ることにより誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるので, 今後もしっかりと口腔内のケアとキュアを同時進行で施していきたいと思います。(2012年7月)

訪問診療【その10】  

【訪問診療】(その10) 
 患者さまは, 在宅診療をされている内科の先生からご紹介いただいた80歳代の男性です。
初診時の口の中の状態は, 歯が欠けたり歯根が残ったままの状態で細菌感染していました。また赤く腫れた病的な歯周ポケットが拡がっており, 骨レベルは低下し揺れている歯もありました。血圧の変動もありうるので, 高等看護師による血圧測定を施してから歯科診療に入ります(1)
歯周病の治療と同時進行でむし歯の処置もおこない(写真2)、症状もだいぶ落ち着いてきたので上下顎に部分義歯をお入れすることになりました。ワイヤー等を曲げた「バネ付きの義歯」だと種々口内への負担が生じやすいので, 今回は取り外しができて歯に対してもやさしい「バネなしの義歯」をお作りしました(写真3の右側)

義歯が装着されて半年以上経ちましたが, とても上手に使いこなされております。紳士的に接していただける患者さまは長年教鞭をとられていた方であり, またいつも楽しいお話を聞かせていただける奥さまのサポートにも感謝申しあげます。(2012年7月)


歯周病により失った骨が再生されます New

【歯周病により失った骨が再生されます】
 大阪大学の村上教授と科研製薬は、歯槽(しそう)膿漏や歯肉炎などの歯周病で失われた骨を再生する治療法を開発しました。その方法は骨の成分を増やす特殊なたんぱく質を患部に投与するだけで、重症になる前日に治療すれば抜歯せずにすむとのことです。今年度中に最終的な臨床試験を開始する予定で、2015年以降の実用化を目指しています。あと3年もすればこの特殊なたんぱく質を塗るだけで歯周病が治るというならば、とても画期的なことですね。
 歯周病は口内の細菌感染で発症し、炎症が起きて歯を支えているアゴの骨が破壊される怖い病気です。一旦悪化すると回復が難しく歯が抜けてしまいます。さらに重い歯周病に罹患している人は、敗血症感染性心内膜炎動脈硬化糖尿病などを悪化させるリスクが高まります。
 このような危険因子を取り除くため、骨の再生を促すたんぱく質「FGFー2」の製剤を手術の際に患部に塗布します。ビーグル犬の実験などでその有効性を確認し、人の口内で治験し投与から9ヵ月後にアゴの骨量が約60%増えたそうで、今のところ重大な副作用もないとのことです。
 この方法が確立されれば広く一般の歯科外来で治療ができ、また通院できぬ在宅の患者さまにも訪問診療での応用が可能となります。歯肉炎に罹患している人も含めれば成人の約8割が歯周疾患という現状を考えると、早期の実用化が期待されますね。(2012年7月)
 

ロンドンオリンピックの開幕です 

 4年に1度のスポーツの大祭典「オリンピック」が開催されています。日本代表選手(男子137名・女子156名)と役員を含めると、総勢約520名がロンドンに集結しています。上村春樹団長いわく「金メダル獲得数で世界第5位を目標としており、そのためには15~18個を獲る必要があります。ポイントは前半の体操・水泳・柔道にかかっています」とのことです。オリンピックという重圧のかかる大舞台、本当に何が起こるのか分かりません。メダルにこだわらずに、いつも通りのプレーをされて悔いのない戦いをすれば結果はついてくると信じて、気負わずに挑戦者の気持ちで力を出し切ってほしいものです。
 私が観たすべてのオリンピックで一番の感激シーンは2004年(アテネ)このシーンであります。ここまで感動させた美しい演技と伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ虹デコメ絵文字という心に残るすばらしい名実況を聞くたびに今でも感極まりますね。
 アンカーの冨田洋之氏は、ロンドンオリンピックにもコーチとして参加し代表選手を心身ともにサポートしているので、私は体操男子団体を特に楽しみにしています。 
293名の代表選手がんばれ~ニッポン (2012年7月)

訪問診療【その8】 

【訪問診療】(その8) 

 今回は、ケアマネージャーさんにご紹介いただいた85歳の患者さまです。ご高齢で腰椎圧迫骨折などに伴い足腰が弱くなり、継続した歯科外来受診ができないために週1回在宅で診療をおこなっています。上顎前歯部が歯周病に起因し歯の揺れがかなり大きくなっており、何かの弾みで折れて飲み込む危険性がありました。

 麻酔の前には高等看護師による血圧測定(写真1)をおこない、その後段階的に抜歯を施しました。粘膜面がきれいに修復されたので口の中の型採りをし、現在上下義歯をお作りしています。また細菌感染で傷んだ歯の治療後、クラウンの装着(写真2の右半分※現場で慌てて撮ったため不鮮明で申し訳ございませんが、画面の左下奥歯も被せる予定です)をおこなったり歯周病に罹患している歯の保存療法も同時に施しています(写真3)

  患者さまご自身のみではまだ散策できないため「食事がおいしく摂れるようになりました」という元気なお言葉を少しでも早く拝聴できるよう、総力をあげて診療しています。もうじき義歯が入りますので、がんばってくださいね。

いつも明るくサポートいただける娘さんにも深謝申しあげます。(2012年6月)



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