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訪問診療【その3】

 【訪問診療】(その3)   
 今回は神経内科ご専門の先生からご紹介いただいた88歳の患者さまです。色々な疾患に起因し足腰に不安が残るため、在宅で継続的な歯科診療を行っています。初診時の口内状況は、むし歯で欠けたり、歯周病で歯肉が赤く腫れて揺れ動く歯もありました。特に欠けた奥歯では食べものを噛み砕けず、食生活に支障をきたしていました。口腔ケアやむし歯等の治療を積極的に行い、口内衛生状態も改善されてきたので、現在歯周病の治療と同時進行で上下顎部分義歯をお作りしているところです。写真では、歯科診療と高等看護師による血圧測定の様子を載せさせていただきました。(2011年11月)

むし歯菌で脳出血を誘発、発症リスク約4倍!

むし歯菌で脳出血を誘発、発症リスク約4倍!
  口の中でむし歯の原因となる 「ミュータンス菌」 の一種が脳出血のリスクを約4倍に高めることを大阪大や浜松医科大等のチームがつきとめ、9月27日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に掲載されました。脳出血の新たな危険因子とみられ予防薬開発を進めることで、脳出血の発症リスクを抑えることができるとしています。
 むし歯菌のうち、抜歯や歯磨きなどを介し血液中に入った高病原性菌が心臓弁膜等の炎症をひきおこす「細菌性心内膜炎」の発症原因の一つであることはこれまで分かっていましたが、脳出血とむし歯菌との関係は不明でした。
  成人の70%以上は何らかのむし歯菌を持ちますが、チームは「コラーゲン結合タンパク質」を持っている特殊なミュータンス菌に着目。うち約8%がこの特定菌の保有者であって、特に脳出血の患者では約30%保有しており発症リスクは約4倍になります。また菌は母親から子に移るので、口移しなどで母子感染する可能性もあるとのことです。
  実験では特殊な光で血管を傷つけたマウスに、患者の唾液から採取した菌液を直接血管内に投与すると、投与しないマウスと比べ脳出血の面積が5~6倍に拡大。高血圧のラットでは約7倍広がり、血管の傷に菌の「コラーゲン結合タンパク質」が集まり、血管の修復を妨げ出血が増えました。こうした結果から梅村教授は「この菌の保有者は非保有者と比べて脳出血リスクが高い可能性があり、健康な人が保菌していても問題はないが高血圧やストレス、老化、喫煙などで血管が弱ると脳出血を起こしやすくなるので、口腔内ケアで衛生的に保てば脳出血患者の再発予防や発症リスクを低下させることも考えられる話しています。 
  歯肉炎・歯周炎で出血し傷ついた歯ぐきの血管から、このような特殊な菌が血中に入り込む可能性が十分あります。歯ぐきのマッサージも含め口腔ケアが重要視されたトピックスでもありますので、みなさん口内健康維持のためにも早期の受診をお奨めいたします。(2011年9月)
(※右が「コラーゲン結合タンパク」を持つむし歯菌を投与し脳出血を発症させたマウスの脳。左は無投与)

【訪問診療】(その2)

【訪問診療】(その2)  
  写真の患者さまは、脳梗塞や慢性腎不全に起因し、週3回人工透析を受けているため、在宅にて歯科診療を行っています。初診時世田谷区内の総合病院で透析療法を受けられていましたが、左上奥歯が揺れだし誤って飲み込む可能性が高かったので、患者さまのお姉さまから当院ホームページ経由で訪問診療ご依頼のお電話をいただきました。歯科診療は特に問題なしとの主治医の見解でしたので、病棟のベットサイドで抜歯しました。その後ご退院され、ご自宅で義歯の新製や歯周病、むし歯の治療等も行いコントロールしております。継続的に治療をさせていただいた成果も一因であろうと思われますが、なによりも直接介護に当たるご家族(特にお姉さま)や患者さまが治していこうというモチベーションが高いので、口の中はとてもきれいになり食事もおいしく味わえるようになったそうです。
 痩せていた初診時と比べると、ふっくらと健康的になっているように見えます。やはり「口は健康の入り口、歯は消化器系の入り口」ですね。痛切に感じられました。(※写真をクリックされますと,PopUp(拡大)画像になります) (2011年8月)

歯周病と糖尿病との関係

【魚をたべる男性ほど糖尿病のリスクが低下】 
 糖尿病は歯周病を悪化させる因子のひとつであることは知られていましたが、同時に歯周病が糖尿病を悪化させる因子であることも解明されてきました。糖尿病と歯周病は関係の深い疾患であるといえます。 糖尿病がコントロールされていないと高血糖となり、これが様々な合併症の原因となります。そのひとつとして歯周病があげられます。プラーク(歯垢)に対する炎症反応において、細菌を貪食する多形核白血球の機能低下と、コラゲナーゼ(細菌が出す毒素のひとつでコラーゲン線維を溶解する)の機能亢進により、歯周病が悪化します。 
  糖尿病の予防のひとつとして、国立がん研究センターはこのほど「魚を多くたべる男性ほど、糖尿病の発症リスクが低下する」の研究結果をまとめました。特にアジやサンマなど脂の多い小・中型魚が効果的だということです。5年間の追跡調査によると、男性では摂取量が多いグループほど糖尿病の発症リスクが低下。最も多いグループでは、最も少ないグループと比べて約30%リスクが下がりました。さらに、魚介類別に分析したところ、小・中型魚(アジ・イワシメサンマ・サバ・ウナギなど)や脂の多い魚(サケ・マス・タイ、先の小・中型魚類など)でリスクが低下する傾向がありました。
  女性では同様の結果が得られなかったことについて、同センターの研究班は、「女性は体脂肪が多いため、(魚に貯蓄された)脂溶性の環境汚染物質を受けやすいのかもしれない」と推測しています。 左上に、「魚介類摂取と糖尿病発症のリスク」を掲載しましたので、ご参照いただければ幸いです。 (2011年8月)

【訪問診療】(その1)

 本ブログにて「訪問診療」の様子を少しずつお伝えいたします。「在宅医療」の現場からの配信ですが、みなさまにご拝読いただければ幸いです。
 
【訪問診療】(その1)  
  写真は、当院における訪問診療の最初の患者さまです。大腿骨頸部骨折・心筋梗塞・脳梗塞(後遺症による左半身麻痺)等に起因し外来受診が難しいため、在宅にて診療を行いました。上下の義歯を新しく作るため、継続的にお伺いさせていただきましたが、ある日私と正看護師が訪問した際、突然しゃくりあげるようにして泣きだされました。私らは何が起きたのか分からず、患者さまの奥さまが瞬時「うれしいのよね~」と何度かお声かけされている姿が今でも鮮明に蘇ります。その後、患者さまのご家族(奥さま・ご長男の奥さま・お孫さん)も当院の外来を受診していただいており、仕事冥利に尽きます。私は、介護保険が導入される少し前から末端ながら積極的に在宅医療に取組んでおりますが、今までの訪問診療の中でとても印象強く残っているシーンでしたので、最初に記載させていただきました。(2011年8月)
 
(※写真撮影掲載等に関しまして、初めに当事者やご家族さまのご了承を得ております。また、動画を使わないブログの写真では,さらに躍動感を持たせることが必要となりますのでぼかしは極力さけました。ご理解のほどお願い申しあげます)

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