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かみ合わせと動脈硬化との関係
【かみ合わせと動脈硬化との関係】
奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大学や東京都健康長寿医療センターなどの医療チームの調査で示されました。
悪いかみ合わせは、あごの運動のバランスを崩し、筋肉に異常な緊張が生まれます。そしてその緊張の繰り返しにより、頭を支えている筋肉にも影響を及ぼし、約6Kgもある頭の位置がずれて、頸椎(けいつい)や脊柱のずれも生じます。その結果、様々な体のバランスが崩れトラブルも起きやすくなります。【左写真のクリックをお願います】
また、筋肉の緊張により血管も圧迫され血流も悪くなるので、治癒力や免疫・抵抗力も弱くなり、病気にかかりやすくなります。
かみ合わせが原因の1つでもある歯周病が、細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究は過去にもありましたが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることは今回初めて提示されました。
審美的な美しさだけではなく、健康的な口内環境を形成することはとても大切ですので、みなさん是非とも時間をお作りいただき、定期的な歯科健診を受けていただければ幸いです。
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目覚めの一服、最低でも30分は我慢しましょう
【目覚めの一服、最低でも30分は我慢しましょう】
調査は、全米健康栄養調査に参加した約2000人の喫煙者から採取した血液サンプルと喫煙習慣を分析。その結果その日最初のたばこを起床後30分以内に吸う人は、31分以上経ってから「最初の1本」に手を伸ばす人よりも、たばこ特有の発がん物質の血中濃度が高かったとのことです。研究者は「起床後にすぐたばこを吸うと、より深く吸入するため肺がんや口腔がんの発症リスクを高める可能性がある」と分析しています。
歯科口腔科領域におけるデータでは、頭頸部がんのうち、起床後30分以内の「最初の1本」と最も強く関係したのは咽頭がんでした。1時間以上経ってから吸う人の発症リスクを1とした場合、 2倍以上も発症リスクが高まることが示されています。その他、上あごにできる「口蓋がん」の発症リスクが1.87倍、舌の真下にできる「口腔底がん」は1.76倍でした。
日本人の口腔がんは全がんの約2%と低い率ですが、50~60歳代の比較的若い年齢で発症します。口の中という狭い場所だけに、治療後は顔面の変形や食べた物がうまく飲み込めずむせたり、言葉を失うなどの大切な機能が損なわれることもあります。
厚生労働省の研究によれば喫煙ー非喫煙者間の平均寿命の差は、男性で3.5~5年位でした。起床後すぐたばこを吸う人は「ニコチン依存症」の要素が強い為、致死的な肺がんの発症リスクも必然的に上がります。この数年、日本人のたばこ離れは急速に進み、全男性の喫煙率は35%を割り込んでいます。(2012年度) まずは寝起きの30分、我慢できるかが禁煙への第一歩となり寿命も徐々に延びてきますので、みなさん健康維持のため是非とも禁煙しましょう。
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歯と口の健康週間 (6月4日~10日まで)
【歯と口の健康週間】
平成23年8月、歯科口腔保健法が初めて制定されたことにより、長年親しまれてきた「歯の衛生週間」が、平成25年度より「歯と口の健康週間」という呼び方に変わりました【上の写真】。これは歯のみではなく、口腔およびその周囲等の健康を推進していくことが目的とされています。
今年の標語は「健康は食から歯から元気から」です。かつては「6歳臼歯を大切に(1930年度)」~「歯をみがこう それが我が家の合言葉(1970年度)」~「広げよう「噛(か)む」から始まる健康づくり(2010年度)」等など、種々時代背景が感じられますね。
口内の健康を脅かす最大の問題は歯の喪失であり、その原因のほとんどは、歯周病(約40%)とむし歯(約30%)です。日ごろの手入れの仕方で歯の寿命【下の写真】も違ってきます。小さなお子さまからご高齢者の方まで、口内の状態は十人十色ですよね。
ご自分の歯やお口に合ったみがき方をすることにより、1本でも多く歯を保つことができます。またいつまでもおいしく食事を摂れることにより、全身の健康維持、そして豊かな生活にもつながるかと思われます。
歯みがきと口腔ケアはとても大切ですので、皆さん習慣化させ、日々健やかに過ごせますようにがんばりましょう。
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訪問診療【その14】
【訪問診療】(その14)
主訴(特に気にされている症状)は, 上の入れ歯(義歯)が不安定で食事中に落ちてしまうとのことです。
先ず高等看護師による血圧測定(写真1) を行ってから歯科診療に入ります。
粘膜変形の是正, 及びむし歯や歯周病の処置等(写真2)も施し, 口内が落ち着いたタイミングを見定め,患者さまのご要望にも対応して材質のしっかりとした入れ歯をお作りしました(写真3)。
患者さまは, 循環器内科医であった私の亡き父の友人医師(※私が歯科大学の学生時代からご厚誼いただき、当院開設時にも激励いただいた元.世田谷区医師会所属の救急外科病院・院長先生)の実妹さんであり, 遅れ馳せ僅かながらでも恩返しできればという思いで, 現在も口内のコントロールも兼ねて加療中でございます。
入れ歯の吸着もよく(最初は取りはずすのに苦労されたみたいです),しっかりと食事が摂れるようになりました。よかったですね。義歯装着・調整後も安定しているのでとてもホッとしました。(2013年5月)
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脳卒中のリスク
【脳卒中のリスク】
先日、脳卒中関連についてのトピックスがありましたのでお伝えします。
血圧や喫煙の有無などから血管年齢を算出し,脳卒中を発症する確率が予測できるシステムが,藤田保健衛生大の八谷寛教授らにより開発されました。
国立がん研究センターとの共同で,全国の男女(40歳~69歳)約1万6千人に対し追跡調査を施し,生活習慣と健康診断のデータから,脳卒中の発症に起因する「年齢・性別・喫煙の習慣・肥満度・糖尿病の有無・血圧」の6項目について点数付けを行い,その合計点により血管年齢と今後10年間で脳卒中になる可能性(%)や, 血管の老化の度合いをほぼ正しく判定できる方法が確立されました表1。
リスクを高める要因として, 年齢を除けば高血圧が最も大きく図2と3、男性の場合は続いて糖尿病・喫煙・肥満の順となり, 女性は男性よりリスクは低いものの喫煙の影響が大きく, 糖尿病・肥満と続いています。
開発者は「血圧や喫煙、肥満度、糖尿病の4つを改善することにより, 脳卒中のリスクがどれくらい小さくなるのかが分かるので, 生活習慣を変えるきっかけにしてほしい」と話されています。(※脳卒中リスクの計算式はこちらになります)
また「緑茶やコーヒーをよく飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中になるリスクが20%程度低かった」写真4との研究結果を先のがん研究センターと国立循環器病研究センターのチームが発表しており, 緑茶の血管保護効果やコーヒーの血糖値改善効果が特に影響するであろうとのことでした。
当院での「在宅訪問診療」の患者さまにも脳卒中の方が多くみられますので, 今回ご報告書させていただきました。なによりも皆さまの健康が第一です。スタッフ一同お祈り申し上げます。(2013年5月)
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