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訪問診療【その14】 

【訪問診療】(その14)
本日ご紹介します患者さまは, 80歳代の女性です。既往歴として硬膜下血腫・高血圧症などがあり,ご高齢でもあるので継続的な歯科外来受診が難しいため, ご息女さまから訪問診療の依頼をいただきました。
主訴(特に気にされている症状)は, 上の入れ歯(義歯)が不安定で食事中に落ちてしまうとのことです。
先ず高等看護師による血圧測定(写真1) を行ってから歯科診療に入ります。
粘膜変形の是正, 及びむし歯や歯周病の処置等(写真2)も施し, 口内が落ち着いたタイミングを見定め,患者さまのご要望にも対応して材質のしっかりとした入れ歯をお作りしました(写真3)
患者さまは, 循環器内科医であった私の亡き父の友人医師(※私が歯科大学の学生時代からご厚誼いただき、当院開設時にも激励いただいた元.世田谷区医師会所属の救急外科病院・院長先生)の実妹さんであり, 遅れ馳せ僅かながらでも恩返しできればという思いで, 現在も口内のコントロールも兼ねて加療中でございます。
入れ歯の吸着もよく(最初は取りはずすのに苦労されたみたいです),しっかりと食事が摂れるようになりました。よかったですね。義歯装着・調整後も安定しているのでとてもホッとしました。(2013年5月)   

脳卒中のリスク 

【脳卒中のリスク】
先日、脳卒中関連についてのトピックスがありましたのでお伝えします。
血圧や喫煙の有無などから血管年齢を算出し,脳卒中を発症する確率が予測できるシステムが,藤田保健衛生大の八谷寛教授らにより開発されました。
 国立がん研究センターとの共同で,全国の男女(40歳~69歳)約1万6千人に対し追跡調査を施し,生活習慣と健康診断のデータから,脳卒中の発症に起因する「年齢・性別・喫煙の習慣・肥満度・糖尿病の有無・血圧」の6項目について点数付けを行い,その合計点により血管年齢と今後10年間で脳卒中になる可能性(%)や, 血管の老化の度合いをほぼ正しく判定できる方法が確立されました1
リスクを高める要因として, 年齢を除けば高血圧が最も大きく図2と3、男性の場合は続いて糖尿病・喫煙・肥満の順となり, 女性は男性よりリスクは低いものの喫煙の影響が大きく, 糖尿病・肥満と続いています。
 開発者は「血圧や喫煙、肥満度、糖尿病の4つを改善することにより, 脳卒中のリスクがどれくらい小さくなるのかが分かるので, 生活習慣を変えるきっかけにしてほしい」と話されています。(※脳卒中リスクの計算式はこちらになります)
また「緑茶やコーヒーをよく飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中になるリスクが20%程度低かった」写真4との研究結果を先のがん研究センターと国立循環器病研究センターのチームが発表しており, 緑茶の血管保護効果やコーヒーの血糖値改善効果が特に影響するであろうとのことでした。
当院での「在宅訪問診療」の患者さまにも脳卒中の方が多くみられますので, 今回ご報告書させていただきました。なによりも皆さまの健康が第一です。スタッフ一同お祈り申し上げます。(2013年5月) 

訪問診療【その13】 

【訪問診療】(その13)
今回ご紹介します患者さまは, 内科医師からご依頼いただいた90歳の女性です。
脊柱管狭窄症などの色々な病気に罹患しており, 足腰が弱く続けての外来受診が難しいためご自宅までお伺いし, 約2年間定期的に受診されています。
初診時の口内状態は, 強い口臭が伴う歯周病に罹患していました。舌苔(ぜったい)も付着しており, 最初の1~2ヵ月間は歯周病の処置を重点的に行い写真1口臭もかなり改善されました。
歯垢や歯石を除去するとその下にむし歯が形成されている歯もあり, その場で急ぎ感染しているものを取り除き, 保存修復処置を施しました写真2
同時にタイムロスなく, 上下部分入れ歯の作製も行いました。適合のよい新しい入れ歯を装着後, 食事がとてもおいしくとれるようになり, 体重も少し増えたとのことです。
口内の健康維持のため, 今後もしっかりとコントロールしていきたいと思います。(2013年4月)

世田谷ナンバー

【世田谷ナンバー】
本日は, いつもとは違ったブログを書かせていただきます。先日, ある方と異業種交流的な形で情報交換できた中から「世田谷ナンバー」の話がでました。
私が生まれ育てられた街「世田谷区」には, ボロ市で代表される季節のイベントや区民のオアシス的存在でもある等々力渓谷, そして美術館等の文化施設や様々な観光資源がたくさんあり, まちなか観光の推進事業が積極的に取り組まれています。
平成16年には、自動車やバイクのナンバープレートの規制を緩和し, 19地域で富士山ナンバーなどの「ご当地ナンバー」が導入されました。現在, 国土交通省ではアベノミクスに準じて新たな「ご当地ナンバー」を平成26年度中に実施できるよう準備を進める計画があります。
都内には「品川」「練馬」「足立」「多摩」「八王子」のナンバーがあり, 世田谷区内の自動車はすべて品川ナンバーで約20万台登録されています。地域振興や産業活性化等の観点からしても是非「世田谷ナンバー」は誕生してほしいものです。
 
追) ナンバー実現への決起大会が, 3月26日(火)成城ホールにて午後6時半~8時半まで開かれます。【参加無料】また, 世田谷区長松任谷(まつとうや)正隆氏らによる座談会も同時に行われます(2013年3月15日)

バイオフィルムと全身疾患との関係 

【バイオフィルムと全身疾患との関係】
 先日、口の中の細菌関連についてのトピックスがありましたのでお知らせします。
皆さん、バイオフィルムをご存じでしょうか。
口内で複数の細菌の固まりがヌルヌルとした状態となったものであり、むし歯や歯周病だけでなく肺炎などの重い病気になることもあります。実はこのバイオフィルム、身近な存在で分かりやすいものとして、台所やお風呂場の掃除をさぼると出てくるあのヌルっとしたものです。
 30歳以上の約80%以上が罹患して国民病ともいえる歯周病は、全身疾患とも関係するこわい病気であります。この病気の直接の原因は、歯肉の周りに付着するバイオフィルムでもあります。
 口の中には300~700種類の細菌が存在しているといわれており、この細菌叢が糊状のバリアを形成しバイオフィルムとなります。そして、歯の表面や歯周ポケットにこのフィルムが付着することにより毒素をもった老廃物を体内に排出し、さまざまな悪影響を全身に及ぼします。
 歯周病原細菌が関わっている病気で、特に注意したいのが誤嚥(ごえん)性肺炎です。誤嚥性肺炎は、先の細菌叢が唾液とともに肺に流れ込んでおこる疾患で高齢者に多く発症します。
 通常、唾液と一緒に飲み込まれた細菌は胃液によって「殺菌」されます。寝ている時も唾液を飲み込む「嚥下(えんげ)反射」が起こり、細菌の気道への侵入を防ぎます。
 元気な人なら、せきなどによって細菌を排除でき、気道粘膜に生えている細かい繊毛(せんもう)により唾液が肺に流れ込まないようになっていますが、免疫力が低下した高齢者は抗菌作用のある唾液量も少なく嚥下反射が弱いため、呼吸器疾患に陥りやすい傾向があります。
 歯周病は、体調不良などによる免疫機能の低下や、よく噛まない・喫煙・歯を磨かないなど「生活習慣の乱れ」があると進みやすく、またストレスや加齢で進む口内の乾燥はバイオフィルムを増大させるので、ネバネバが生じやすくなります。
 その結果、細菌が歯肉に侵入(感染)し赤く腫れた歯肉内の血管を通じて全身に回る脳血管障害動脈硬化がん発症や糖尿病などに関与するという報告もあります。
 やはり「歯はいのち」、口腔ケアはとても重要ですね。当院では在宅診療にも力を注がせていただいていますのでよく分かりますが、「食べる力は生きる力」でもあります。
 皆さん、がんばりましょう。(2013年3月)
 


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